浮気調査

不倫は犯罪か|日本法の答えと自己調査の注意点

不倫は犯罪か|日本法の答えと自己調査の注意点

夫の不倫が発覚した夜、震える手でスマホに「不倫 犯罪」と打ち込まれた方——そのお気持ちは、本当に痛いほど分かります。
浮気をされた苦しみは、された方にしか分かりません。
結論から申し上げます。
日本では、不倫そのものは刑事罰の対象ではありません。
ただし民法上の不貞行為として、慰謝料請求や離婚の理由にすることはできます。
そして何より注意していただきたいのは、ご自身で証拠を取ろうとすると、逆にあなたが犯罪者になってしまう恐れがあることです。
本記事では、株式会社MR代表取締役・岡田真弓が、30万件を超える相談経験と法律の根拠をもとに、正しい答えと次の一歩をお伝えします。

この記事でわかること3つ


  • 不倫が日本で犯罪になるかの白黒(刑事と民事の違い)

  • 自分で証拠を取ろうとすると、逆にあなたが犯罪者になる4つの行為

  • 怒りを合法的な「次の一歩」に変える3つの選択肢

結論:日本では不倫自体は「刑事罰の対象外」です

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「警察に突き出せますか」への答え

「相手を警察に突き出せますか」——そう震える声でご相談くださる方が、毎月いらっしゃいます。怒りと悲しみで眠れない夜に、そう感じられるのは当然のことです。ただ、残念ながら警察は動けません。なぜなら、現在の日本の刑法には「不倫罪」「姦通罪」といった条文が存在しないからです。かつては旧刑法第183条で姦通罪が定められていましたが、昭和22年(1947年)の改正で廃止されました。戦後の法改正で、不倫は「刑事で罰する問題」ではなく「民事で責任を問う問題」へと位置づけ直されたのです。

「社会的な非難」と「法律上の犯罪」は別物

ここで大切なのは、「許せない気持ち」と「刑事罰で罰せられるか」を切り分けて考えることです。不倫は確かに社会的にも倫理的にも非難されるべき行為ですし、配偶者を深く傷つけます。しかし、だからといってそれが自動的に「犯罪」になるわけではありません。社会的非難・民事責任・刑事罰という3層の責任構造のうち、日本では刑事罰のみ該当しないと整理していただくと理解しやすいはずです。

💡 岡田真弓のワンポイントアドバイス

警察に駆け込んでも動いてもらえないと知ると、さらに絶望されるかもしれません。でも大丈夫。日本の法律は、配偶者として傷ついたあなたを決して見放してはいません。次のパートで、民事で使える5つの条文をお伝えします。

民事では責任追及ができる:根拠となる5つの条文

離婚事由としての位置づけ(民法770条1項1号)

民法第770条第1項第1号は、「配偶者に不貞な行為があったとき」を法定離婚事由として定めています。ここでいう不貞行為とは、一般的には配偶者以外の第三者との自由な意思に基づく肉体関係を指します。単なる食事やデート、キスだけでは法的な不貞行為に該当しない場合が多く、証拠としては、言い逃れを困難にし、不貞の継続性を立証するために、ラブホテルへの出入り最低2回、シティホテルの場合は同じ部屋への出入り複数回などが、裁判で確実に認められるための一つの目安となります。ただし、法的には一度の肉体関係でも不貞行為は成立します。

慰謝料請求の根拠(民法709条・710条・719条)

慰謝料の請求は、民法第709条(不法行為に基づく損害賠償)と第710条(精神的苦痛への賠償)を根拠にします。特に大切なのが民法第719条(共同不法行為者の連帯責任)です。この条文により、配偶者と不倫相手の双方に対して、連帯して慰謝料を請求することができます。「なぜ相手方にも請求できるのか」「一方だけにしか請求してはいけないのか」と迷われる方がいらっしゃいますが、律上はどちらにも請求できるのが原則です。ただし、受け取れる慰謝料の総額が2倍になるわけではなく、二人が連帯して一つの損害を賠償する義務を負うという仕組みです。

3年で消える権利(民法724条)

ここで必ず押さえていただきたいのが、民法第724条の時効です。不法行為に基づく損害賠償請求権は、不倫の事実と相手方を知った時から3年で時効になります。3年という年月は、感情の整理をするには短すぎ、時効を気にせず放置するには長すぎる、絶妙な期間です。株式会社MRでは、これを「3年ルール」としてご依頼者様にお伝えしています。「証拠を撮った後が大切」とは、この3年間をどう使うかという意味でもあるのです。

💡 岡田真弓のワンポイントアドバイス

「今すぐ離婚しなきゃ」と焦る必要はありません。3年間は、あなたが冷静に選択肢を比べるための時間です。証拠さえ押さえておけば、焦らずに次の一歩を考えられます。

逆にあなたが犯罪者になる恐れがある行為

ここからが本記事で最もお伝えしたいパートです。「法律が味方してくれないなら自分で動くしかない」——そう思われるお気持ちは本当に分かります。でも、そこで焦って動くと、逆にあなたが犯罪者として処罰される側に回ってしまうリスクがあるのです。具体的に4つのパターンをご説明します。

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NG1 配偶者のスマートフォンを無断で見る

配偶者のスマートフォンのロックを勝手に解除し、SNSやメールのクラウドサービス等にログインして閲覧する行為は、不正アクセス禁止法第2条・第3条に違反する恐れがあります。同法第11条により3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科され得ます。違法に取得した証拠は、裁判で証拠として認められない可能性があるだけでなく、相手からプライバシー侵害や損害賠償で逆提訴されるという致命的なリスクを伴います。

NG2 相手方の自宅に押しかけない

「相手の顔を直接見て謝らせたい」という気持ちは痛いほど分かります。ただし、刑法第130条の住居侵入罪は「正当な理由がなく人の住居に侵入した」時点で成立します。量刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。マンションの共用部までであっても、管理組合の規約によっては侵入と判断されるケースがあります。

NG3 GPS・AirTagを無断で設置しない

配偶者の車や持ち物にGPSやAirTagを無断で装着する行為は、ストーカー規制法違反(位置情報無断取得等)に問われる可能性が極めて高いです。また、取り付けの際に車体を傷つけたり加工したりすれば刑法第261条の器物損壊罪に、取得した情報の扱いはプライバシー侵害に該当します。

NG4 SNSでの晒し行為をしない

相手方の実名や顔写真、職場名などをSNSで公開する行為は、刑法第230条の名誉毀損罪に該当します。量刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。注意していただきたいのは、投稿内容が真実であっても構成要件に該当するという点です。「本当のことを書いただけ」は言い訳になりません。

💡 岡田真弓のワンポイントアドバイス

創業以来20年以上、ご依頼者様に繰り返しお伝えしてきた2つの鉄則があります。「問い詰めない、自分で調査しない」。このたった2つを守っていただくだけで、あなたの未来は大きく変わります。

海外との比較:日本法の現在地

「日本って、不倫に甘い国なのでしょうか」とご質問をいただくことがあります。実は、世界の流れを見ると日本は民事化の先駆者です。
韓国では2015年に憲法裁判所が姦通罪を違憲と判断し廃止。台湾でも2020年に大法官会議が違憲判断を下し廃止されました。ヨーロッパ主要国はさらに早く、20世紀後半までに不倫を刑事罰の対象から外し、民事責任に一本化しています。日本は1947年の時点ですでに姦通罪を廃止しており、「不倫を刑事で罰することから、民事で責任を問うことへ」という世界の大きな流れの最前列を走ってきた国の一つなのです。

怒りを「次の一歩」に変える3つの選択肢

ここまで法律の答えをお伝えしてきました。最後に、法律の枠内で選べる「次の一歩」を3つご紹介します。

選択肢① 慰謝料請求

民法709条・710条・719条を根拠に、配偶者と相手方の双方に連帯して請求できます。決定的な証拠を提示して示談交渉を行うことで、相手が早期解決を望み、結果として判例の相場より高い金額で合意に至るケースも少なくありません。弁護士に依頼する場合でも、証拠の強さが交渉力を左右します。時効は民法724条により3年ですので、証拠を押さえたら早めに動かれることをおすすめします。

選択肢② 離婚

協議離婚が全離婚の約9割を占め、合意すれば市区町村役場への届出だけで成立します。合意できない場合は調停離婚(約9%)、それでも難しい場合は裁判離婚(民法770条1項1号)へと進みます。財産分与は民法768条により、婚姻期間中に築いた財産を原則2分の1ずつ分ける形が基本です。

選択肢③ 関係修復

そして、株式会社MRの相談実績でもっとも多く選ばれているのが、この選択肢です。初めてご相談にいらっしゃる時点では、ほとんどの方が「もう離婚しかない」と感情的におっしゃいます。ところが、カウンセリングを通じて冷静になられると、約8割の方が最終的に関係修復を選ばれます。慰謝料請求権の時効である3年間をじっくり使って、ご自身の気持ちと向き合う——そんな選び方もあるのです。復縁を視野に入れるなら、別居は避けるべきです。一人暮らしの楽さを経験すると、戻りたくなくなるからです。

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💡 岡田真弓のワンポイントアドバイス

決めるのはあくまでもご本人です。私たちカウンセラーの役割は、選択肢を増やし、視野を広げるお手伝いをすること。そして、どの選択をされても後悔されないよう、納得いくまで一緒に考えていくことです。

まとめ


  • 日本では不倫自体は刑事罰の対象外です(旧刑法183条の姦通罪は1947年廃止)

  • 民事では民法770条1項1号/709条/710条/719条/724条に基づき責任追及が可能です

  • 自己調査は不正アクセス禁止法/刑法130条/230条/261条、およびストーカー規制法により、逆にあなた自身が犯罪者になる恐れがあります

  • 「問い詰めない、自分で調査しない」の2つを守ってください

  • 次の一歩は慰謝料請求・離婚・関係修復の3つ。約8割の方が関係修復を選ばれています

  • 証拠は撮った後が大切です。早期発見、早期解決が心の傷を浅くする鍵になります

ご相談は株式会社MRまで

浮気されたら証拠を集めることが大切です
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当記事の監修者

当記事の監修者:岡田 真弓
氏名
岡田 真弓
経歴

1968年東京都生まれ

2003年総合探偵社・株式会社MRを設立

2008年MR探偵学校を開校し、学長に就任

2016年一般社団法人日本ライフメンター協会を立ち上げ、代表理事に就任

2017年こころテラス株式会社を設立

紹介文

探偵業の現場で培った経験をもとに、「探偵の現場」や「夫を夢中にさせるいい妻の愛されルール」等の書籍を発売。
また、ビジネスリアリティ番組「令和の虎」にも出演し、あらゆるメディアを通じて、調査の実態や夫婦関係の在り方を伝えています。

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