子供4人の養育費|算定表にない計算と相場
「算定表を見たら、子どもは3人までしか載っていませんでした。うちは4人。いったい、いくらが妥当なのでしょうか」——このご相談は、私たちの元に毎月のように届きます。
養育費算定表(裁判所・2019年改訂版)は、子どもが3人までの家庭を想定した早見表です。
4人以上はそのままでは読めません。しかし「基礎収入」と「生活費指数」という考え方を押さえれば、4人分でも筋道立てて試算できます。
この記事では、受け取る側と支払う側の双方に立ちながら、算定の骨格・年収別の目安・増減額の枠組み・未払いに備える実務までを、条文とともに整理します。
この記事でわかること
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算定表が3人までしか載っていない中で、子供4人の養育費がどのように考えられているかの基本 -
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年収別・子の年齢別に見た、4人分の養育費の目安幅 -
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増額・減額の条文上の枠組みと、未払いを防ぐ公正証書・強制執行・実態調査の接続

子供4人の養育費を考える前提|算定表が3人までの理由
最初に押さえたいのは、「算定表に載っていない=計算できない」ではないことです。算定表は早見表にすぎず、4人以上の場合は元の考え方に戻って試算します。

裁判所の養育費算定表は「3人まで」を想定
裁判所公表の養育費算定表(2019年改訂版)は、給与所得者・自営業者別に、子ども1〜3人までのパターンを並べた早見表です。4人以上は、公表された表の対象外となっています。
4人以上の場合は、実務上「標準算定方式」と呼ばれる計算式に戻って個別に試算します。根拠となるのは主に次の条文です。
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民法766条:離婚時に子の監護費用(養育費)を父母が協議で定める -
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民法877条:直系血族の扶養義務(生活保持義務) -
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民法881条:扶養請求権は処分することができない
標準算定方式の骨格(基礎収入×生活費指数)
標準算定方式は、「基礎収入」と「生活費指数」という2つの要素で組み立てられています。
基礎収入とは、総収入から公租公課・職業費・特別経費を控除した、可処分額に近い金額です。生活費指数は、0〜14歳と15歳以上で数値を分けた、生活に必要な費用の目安を指数化したものです。
子どもが1人でも4人でも、「基礎収入×指数」を掛け合わせる構造は変わりません。4人分の養育費も、この骨格の中で考えていきます。
4人分の養育費を計算する基本ステップ
ここからは、4人分の養育費を試算するときの手順を、3つのステップで整理します。あくまで目安であり、最終的な額は調停・弁護士相談で必ず再確認が必要です。

STEP1 総収入から基礎収入を出す
給与所得者の場合は、源泉徴収票の「支払金額」が出発点になります。自営業者は、確定申告書の課税所得に、減価償却費などを補正した金額を使うのが一般的です。
基礎収入割合の目安は、給与所得者でおよそ38〜54%、自営業者でおよそ47〜62%の範囲で、年収帯によって変動すると整理されています。個別事案(私立学校の学費、持病の治療費、住宅ローンの支払いなど)によって修正計算が必要になるため、最終的な数値は弁護士や調停の場で確認する前提で読んでください。
STEP2 生活費指数を合算する
生活費指数は、親(監護親・非監護親ともに)を100、0〜14歳の子どもを「62」、15歳以上の子どもを「85」として計算します。
子ども4人分の指数は、それぞれの年齢で合計します。たとえば4人全員が0〜14歳であれば、62×4=248。中学生2人と小学生2人なら、85×2+62×2=294といった具合です。
STEP3 按分して養育費月額を試算する
まず、非監護親の基礎収入から「子ども4人分の生活費」の総額を算出します。
[子どもの生活費総額] = [非監護親の基礎収入] × (子ども指数合計 ÷ (非監護親100 + 子ども指数合計))
ここで出た「子ども4人分の生活費」を、さらに父母それぞれの基礎収入の比で按分し、非監護親が負担する月額として試算します。端数処理や特別費用の扱いは個別事情で調整されるため、この計算はあくまで出発点です。
年収別に見る4人分養育費の目安幅
「数式は分かったけれど、結局いくらくらいなのか」というご質問も多くいただきます。ここでは、給与所得者を前提に非監護親の年収別の目安幅を整理します。あくまで一般的な目安であり、個別事案では大きく振れる点にご留意ください。
目安幅の読み方
本稿の目安は、父が非監護親・母が監護親というよくあるケースを想定し、父の年収を変数、母の年収をパート〜正社員下限の水準と仮定した試算です。
基礎収入割合や生活費指数は標準的な目安であり、裁判所での調停や審判、あるいは個別事情(私立学費の負担等)によって修正されます。実額は必ず調停・審判・弁護士相談で再確認してください。
年収300万〜800万円帯の目安
標準算定方式で試算した、非監護親の年収別の4人分養育費(合計月額)の目安は、一般的には次のような幅で紹介されることが多いとされています。
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年収300万円台:月4万〜7万円前後がひとつの目安 -
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年収500万円台:月7万〜11万円前後がひとつの目安 -
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年収700万円台:月11万〜16万円前後がひとつの目安 -
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年収800万円超:基礎収入割合の低下を踏まえつつ、指数按分で試算
1人あたりに均すと、年収500万円台で月2万円前後、年収700万円台で月3万円前後に収まるケースが多く、「4人だから1人分×4倍」とはならないのが実務の感覚です。
増額・減額が認められる枠組みと事例傾向
調停で決まった月額は、ずっと固定ではありません。民法880条は、事情が変わったときに扶養の程度・方法を変えられることを定めています。受給者・支払義務者の双方にとって大切な条文です。

増額が論点化される場面
増額が論点になりやすいのは、子どもの事情が変わるケースです。私立中学・高校への進学、大学進学、留学、持病や療育などの特別費用が代表的です。
監護親側の失業・病気・一時的な無収入、子の成長に伴う生活費指数の上がり(0〜14歳から15歳以上への移行)も、増額が検討される典型的な場面とされています。
減額が論点化される場面
支払う側にも事情の変化は起こり得ます。重い病気、長期失業、リストラ、再婚相手の連れ子と養子縁組をして新たな扶養義務を負った場合などは、民法880条の事情変更として減額・免除が検討される余地があります。
ただし、自主退職・浪費・支払能力があるのに支払わないケースは、一般的に減額が認められにくいと整理されています。どちらの立場でも、自主的な増減ではなく調停・審判という枠組みに乗せることが実務の出発点です。
4人分を未払いにしないための実務
ここからが、他サイトではあまり踏み込まれない論点です。4人のお子さんがいらっしゃるからこそ、未払いの影響は大きくなります。取り決めた額を取り決めた通りに受け取り続けるための実務を整理します。

公正証書(執行認諾文言付き)の重要性
調停調書や執行認諾文言付き公正証書は、将来の強制執行の出発点となる「債務名義」です。作成時の費用は数万円程度が目安とされていますが、未払いが起きたときのコストを大きく下げる保険のような役割を果たします。
離婚後の養育費未払い率は「先進国で最悪水準と言われる公表データ」として紹介されることが多く、4人分の生活を支える上でこの備えの有無は無視できません。
2020年改正民事執行法と強制執行の3ステップ
2020年施行の改正民事執行法によって、強制執行の実務は動きやすくなりました。流れは次の3ステップです。
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債務名義の準備(公正証書・調停調書・確定判決など) -
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財産開示手続(虚偽・不出頭に刑事罰の可能性) -
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第三者からの情報取得手続(預貯金・勤務先・不動産などを裁判所経由で照会)
養育費債権は、民事執行法152条3項により給与手取りの原則2分の1まで差押えが可能です。通常の債権より手厚く保護されているのが養育費の特徴です。
株式会社MRと弁護士の連携型サポート
「住所が分からない」「転職を繰り返している」など実態が見えないケースでは、制度だけでは動きが取りにくいのが現実です。
探偵業法に基づく合法的な所在調査・勤務先調査・資産調査は、減額調停や強制執行の前段として力を発揮します。株式会社MRは2003年創業、東京都公安委員会届出番号30070058ほか全国14拠点で、相談件数は30万件を超え、成功率94%の水準で対応しています。
経験豊富な提携弁護士と連携し、調停・強制執行の実務と事実関係の把握をひとつの線でつなぎます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 子供4人の養育費は、算定表の3人分より高くなりますか?
A. 一般的には、子どもの人数が増えると生活費指数の合計が上がるため、合計月額は増える方向になります。ただし、非監護親の基礎収入が一定以上でない場合、1人あたりの金額は抑えられる傾向があります。「4人だから1人分×4倍」にはならないのが通例です。
Q2. 年収500万円で子供4人、月いくらが目安ですか?
A. あくまで試算の目安として、4人合計で月7万〜11万円前後に収まるケースが紹介されることが多いと整理されています。最終額は、子の年齢・監護親の収入・特別費用の有無で変わりますので、調停・弁護士相談で個別に再確認することをおすすめします。
Q3. 4人分の養育費を払い続けられない場合はどうなりますか?
A. 民法880条の事情変更に該当する事情があれば、減額・免除の調停・審判の対象になります。自主的に支払を止めてしまうと、後の強制執行で不利になる場合があります。正式な手続きに乗せることが大切です。
Q4. 2026年に施行された改正民法で、多子家庭の養育費はどう変わりましたか?
A. 最大の変化は「法定養育費」制度の導入です。離婚時に取り決めをしなかった場合でも、一定額の養育費を請求できる権利が明文化されました。また、未払い時に裁判所の手続きなしで家財などを差し押さえやすくなる「先取特権」の付与も、4人以上の多子家庭にとって強力な追い風となっています。
まとめ|4人分でも、考え方は1つから積み上げる

5つの要点
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裁判所の養育費算定表は3人まで。4人以上は標準算定方式(基礎収入×生活費指数)で試算する -
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年収500万円台なら4人合計で月7万〜11万円前後がひとつの目安。最終額は個別事情で動く -
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増額・減額は民法880条の事情変更の枠組みで。自主的な増減ではなく調停・審判に乗せる -
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公正証書・調停調書は将来の強制執行の出発点。作成時の備えが未払いリスクを下げる -
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所在不明や実態が見えないときは、合法的な調査で事実を整えるという選択肢がある
4人のお子さんを育てる苦しみは、育てている人にしか分かりません。算定表に数字がない不安、将来の進学や医療費への怖さ、万が一の振込停止——そうした重なりを、一人で抱え込まないでください。自治体の窓口(児童扶養手当や作成費用補助の相談)、法テラス、弁護士、そして株式会社MR。相談できる場所はひとつではありません。
決めるのはあくまでもご本人。 私たちができるのは、選択肢を増やし、視野を広げるお手伝いまでです。けれど、その一歩があるかないかで、4人のお子さんの数年後の景色は大きく変わります。
当記事の監修者
- 氏名
- 岡田 真弓
- 経歴
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1968年東京都生まれ
2003年総合探偵社・株式会社MRを設立
2008年MR探偵学校を開校し、学長に就任
2016年一般社団法人日本ライフメンター協会を立ち上げ、代表理事に就任
2017年こころテラス株式会社を設立
- 紹介文
探偵業の現場で培った経験をもとに、「探偵の現場」や「夫を夢中にさせるいい妻の愛されルール」等の書籍を発売。
また、ビジネスリアリティ番組「令和の虎」にも出演し、あらゆるメディアを通じて、調査の実態や夫婦関係の在り方を伝えています。
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