養育費の新算定表はいつから?2019年改訂版の適用開始日と既存取決めの増額可否を実務解説
「養育費の新算定表が出たと聞いたが、結局いつから使われているのか」「2018年に取り決めた月4万円の養育費を、新算定表で計算し直したら増額できるのではないか」――このようなご相談が、株式会社MRには毎月数十件寄せられます。
結論から申し上げると、新算定表(令和元年版)は2019年12月23日に裁判所が公表し、その日から即日適用されています。
ただし、旧算定表で取り決めた既存の養育費を、改訂を理由に自動的に増額できるわけではありません。
最高裁の判例実務では、算定表の改訂のみを根拠とする増額請求は原則として認められていないためです。
本記事では、新算定表の適用開始時期、旧算定表との金額差、既決事案を見直すための実務手順を、相談歴30万件超・浮気調査と離婚関連調査を20年以上手がけてきた株式会社MRの現場知見を交えて解説します。
なお、本記事は一般的な法的情報を提供するものであり、個別の法律相談ではありません。実際の事例については弁護士にご相談ください。
結論:新算定表は2019年12月23日公表=即日適用

養育費の新算定表(正式名称:「養育費・婚姻費用の標準算定方式・算定表(令和元年版)」)は、最高裁判所司法研修所の研究報告として、2019年12月23日に裁判所のウェブサイト上で公表されました。発表と同時に全国の家庭裁判所での実務運用に取り入れられており、施行日や経過措置といった概念はありません。つまり「公表日=適用開始日」と理解してください。
公表前から1年以上にわたり、日本弁護士連合会の改訂提言や司法研修所の実証研究が積み重ねられており、家裁の調停委員・調査官にも事前に運用方針が周知されていました。そのため、2019年12月23日以降に申し立てられた調停・審判は、原則としてすべて新算定表をベースに金額算出が行われています。
一般的には、2019年12月23日以降に新規で養育費を取り決める方は、何も意識せずとも新算定表で算出された金額が提示されます。問題となるのは「2019年12月22日以前に旧算定表で取り決めた既存の養育費を、改訂を理由に再計算したい」というケースで、ここに法的なハードルがあります。
新算定表(令和元年版)とは|改訂の経緯と旧算定表との違い
旧算定表は2003年(平成15年)に東京・大阪の裁判官研究会が公表したもので、約16年間にわたり家裁実務の事実上の標準として運用されてきました。しかし時代の変化とともに、社会保険料率の上昇、税制改正、教育費の高騰など、家計実態と算定表の前提に乖離が生じていました。
新算定表における3つの主な変更点
司法研修所は2018年から実証研究を開始し、以下の3点を中心に算定方式を見直しました。
第一に、給与所得者の基礎収入割合(総収入のうち養育費算定の基礎となる金額の比率)が引き上げられました。旧算定表では34〜42%だった割合が、新算定表では38〜54%に拡大しています。これにより同じ年収でも算定の基礎となる額が増え、結果として養育費額も増額傾向となります。
第二に、子の生活費指数(成人を100とした場合の子の生活費の比率)も見直されました。0〜14歳は55から62へ、15〜19歳は90から85へと変更され、特に未就学児・小学生のいる家庭で増額幅が大きくなる構造です。
第三に、自営業者の所得認定方法が整理され、確定申告書の課税所得額に各種社会保険料控除等を加算する標準化された計算式が示されました。
改訂による金額の変化と正式な根拠
以上の改訂により、典型的なケース(給与所得者・子1人・15歳未満)では、月額1〜2万円程度の増額となるパターンが多く見られます。ただし、年収帯や子の年齢構成によっては逆に減額となるケース(高所得かつ15〜19歳の子のみのケース等)も存在するため、必ず実際に新旧両方の算定表で当てはめて確認する必要があります。
なお、改訂版の正式名称は「養育費・婚姻費用の標準算定方式・算定表(令和元年版)」であり、司法研修所編の研究報告書として公表されています。司法研修所『養育費・婚姻費用の算定に関する実証的研究』(2019年)が改訂の理論的根拠となっており、家裁実務での参照文献として広く引用されています。改訂作業は約1年半をかけて行われ、家裁の家事審判官・調査官、弁護士、研究者が参加した研究会で議論が重ねられました。
旧算定表で取り決めた養育費は新算定表で増額できるのか
「2018年に旧算定表で月4万円と決めた養育費を、新算定表で計算したら月5万円になるため、差額を請求したい」と考える方は多くいます。しかし結論として、算定表の改訂のみを理由とする増額請求は、家庭裁判所では原則として認められません。
増額請求のハードルとなる「事情変更」の要件
これは民法880条の「事情変更」要件の解釈問題です。一度確定した養育費の取り決め(協議書・調停調書・審判書)は、その後に当事者の予想を超える事情の変更があった場合に限り、増額・減額の変更請求が可能とされています。最高裁は事情変更を認める要件として、①取り決め当時に予見できなかった事情の発生、②その事情変更により従前の取り決めを維持することが著しく不公正となること、の2点を求めています。
算定表の改訂は個人の「事情変更」には含まれない
算定表の改訂は、社会経済情勢の変化を反映した基準の見直しであり、当事者個人の事情の変化ではありません。最高裁平成26年6月の決定(家事関係)の枠組みを養育費改訂に当てはめると、「算定表の改訂は当事者の事情変更ではないため、改訂のみを理由とする変更請求は認められない」というのが家庭裁判所実務の通説となっています。
そのため、「新算定表が公表されたから増額してほしい」と単独で主張しても、家庭裁判所で認められないのが実務の現状です。増額を実現するためには、算定表の改訂だけでなく、個別の事情変更を併せて主張する必要があります。
最高裁の立場|算定表改訂は「事情変更」に当たらない
法律実務家の間で参照される最高裁決定として、平成26年6月の婚姻費用変更決定があります。この決定は養育費そのものではなく婚姻費用の事案ですが、算定表の運用姿勢を示す事例として広く引用されています。
最高裁決定が示す3つのロジック
この決定の理由は、以下の3点にまとめられます。
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第一に、算定表は「迅速・公平な紛争解決のための便宜的なツール」であり、それ自体が法規範ではないこと。 -
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第二に、算定表の数値の改訂は、社会一般の物価・税制・保険料の変動を反映する技術的な調整であり、特定の当事者の事情変更ではないこと。 -
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第三に、したがって算定表の改訂のみを理由として、確定済みの養育費や婚姻費用を変更することは、民法880条の趣旨に反すること。
民法880条が定める「事情の変更」の解釈
民法880条の条文では、「養育費に関する協議又は審判があった後事情の変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる」と定められています。ここにある「事情の変更」とは、当事者個別の事情の変化を指すという解釈が、家庭裁判所の実務では確立しています。
このため、新算定表が公表された2019年12月23日以降であっても、旧算定表で取り決めた養育費を改訂のみを理由に増額することは原則としてできません。実務上は、これとは別の事情変更を併せて主張する必要があります。
それでも増額が認められる3つのケース
算定表改訂のみでは増額できないとしても、以下の3類型に該当する場合は、新算定表ベースで算定表の改訂のみでは増額できないとしても、以下の3類型に該当する場合は、新算定表ベースでの増額が可能となります。株式会社MRの相談実績でも、増額を実現したケースの大半がこの3類型のいずれかに当てはまっています。
増額が認められる3つの具体的なケース
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第一の類型:義務者(支払う側)の年収増加
離婚時に年収500万円だった元配偶者が、現在は年収700万円に上昇しているといった事案です。年収という個人の事情が変化しており、変更後の数値を新算定表に当てはめることで増額が認められます。義務者の源泉徴収票や課税証明書を入手して立証することが重要です。 -
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第二の類型:子の進学・進級
離婚時には未就学児だった子が中学・高校に進学した、あるいは私立校への進学が決まったといったケースです。新算定表では15歳に達すると生活費指数が大きく上がるため、子の年齢区分の切り替わりは明確な事情変更として認められやすい傾向にあります。 -
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第三の類型:権利者(受け取る側)の年収減少
出産や育児で離職を余儀なくされた、あるいは転職で年収が下がったといった事案です。一般的には、減額の幅が大きい場合(おおむね年収100万円以上の減少)に増額の理由として認められる傾向にあります。
これらの事情変更要件と新算定表の適用は、あわせて主張するのが実務上の定石です。「年収増加があった」→「だから事情変更がある」→「ついては最新の算定表(新算定表)で再計算してほしい」という順序で主張を組み立てます。
話し合いによる「合意ベースでの増額」
加えて、第四の選択肢として「合意ベースでの増額」があります。事情変更の要件を厳格に満たしていなくても、義務者が任意で増額に同意すれば、新算定表ベースで合意することは可能です。当事者間の話し合いで決まる養育費は、必ずしも法的な事情変更の要件に縛られません。当社の相談実績でも、義務者が子への愛情から自発的に増額に応じるケースは多くあります。相手を問い詰めず、自分で調査しないという基本姿勢を保ちながら、冷静に現状を伝えて協議の場を設けることが、合意による増額において重要です。
新算定表の見方|年収・子の人数・年齢区分の確認手順
新算定表を適用する4つのステップ
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ステップ1:表の選択
新算定表は、子の人数(1人・2人・3人)と子の年齢構成(0〜14歳のみ/15〜19歳のみ/混在)の組み合わせにより、全9種類用意されています。まずは該当する表を選択します。 -
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ステップ2:給与所得者か自営業者かの判定
給与所得者の場合は源泉徴収票の「支払金額」(額面年収)、自営業者の場合は確定申告書の「課税所得金額」に各種控除などを加算した金額を用います。給与と事業所得の両方がある場合は、合算して給与所得者の表に当てはめるのが標準的な処理です。 -
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ステップ3:年収の交差する欄の金額を確認
義務者と権利者それぞれの年収を表の縦軸・横軸に当てはめ、交差する欄の金額を読み取ります。算定表の各欄には「○〜○万円」という幅で金額が表示されているため、その中央値を採用するのが家庭裁判所実務の運用です。 -
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ステップ4:特別費用の調整
算定表が想定する標準的な養育費には、公立学校の学費や標準的な医療費が含まれています。一方で、私立学校の学費や塾代、部活動費などは含まれていません。これらは算定表の金額に加算するかどうか、別枠で協議することになります。
算定表を使用する際の注意点
実際に表を確認する際は、必ず裁判所公式ウェブサイトで配布されているPDFをダウンロードしてください。インターネット上の簡易的な早見表サイトの中には、旧算定表の情報のまま更新されていないものも散見されます。
旧算定表との金額差シミュレーション(典型ケース3例)

新旧の算定表でどの程度金額が変わるのか、家庭裁判所の実務でよく参照される3つの典型ケースで比較します。
新旧算定表による金額差の比較(3つの典型例)
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ケースA:子1人(10歳)/義務者(給与)年収500万円・権利者(給与)年収100万円
旧算定表では月額4〜6万円(中央値5万円)でしたが、新算定表では月額6〜8万円(中央値7万円)となります。月額2万円(年間24万円)の増額です。 -
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ケースB:子2人(5歳・3歳)/義務者(給与)年収700万円・権利者(給与)年収0円
旧算定表では月額10〜12万円(中央値11万円)でしたが、新算定表では月額12〜14万円(中央値13万円)となります。月額2万円(年間24万円)の増額です。 -
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ケースC:子1人(17歳)/義務者(自営)年収400万円(課税所得ベース)・権利者(給与)年収200万円
旧算定表では月額4〜6万円(中央値5万円)で、新算定表でも月額4〜6万円(中央値5万円)となり、ほぼ変化はありません。15歳以上の子がいる中所得帯では、改訂の影響が小さい傾向にあります。
シミュレーションを確認する際の注意点
自身のケースで実際の金額差を確認したい場合は、必ず裁判所公式の新算定表PDFをダウンロードし、年収・子の人数・年齢区分を当てはめて確認してください。あいまいな記憶や知人からの伝聞で増額調停を申し立てると、想定した結果が得られないリスクがあります。
なお、上記の3ケースは「義務者と権利者の年収が当時から変わっていない」前提のシミュレーションです。実際の取り決めの見直しでは、当時の年収と現在の年収の両方を踏まえて再計算するため、増額幅がさらに大きくなることもあれば、義務者の年収減少で逆に減額となることもあります。ケースごとに状況が異なるため、シミュレーション結果はあくまで参考値となります。
株式会社MRの現場から|新算定表をめぐる相談の3類型

株式会社MRには、離婚や養育費に関する相談が年間1万件以上寄せられます。新算定表が公表された2019年12月以降の相談内容を分析すると、以下の3つの類型に整理できます。これらは家庭裁判所や弁護士事務所のウェブサイトでは扱われない、現場の実態に基づいた分類です。
相談内容における3つの主な類型
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第一類型:純粋情報整理型
これから養育費を取り決める段階の方が、新算定表の見方や旧算定表との違いを正確に把握したいというケースです。離婚協議に入る前段階で、自身の見込み額を算定表で確認しておく相談が多くあります。この類型では、調査ではなく情報提供が中心となります。 -
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第二類型:既決見直し希望型
2019年12月以前に旧算定表で取り決めた金額を、新算定表で再計算したいというケースです。前述の通り、改訂のみを理由とする増額は認められないため、別の事情変更(義務者の年収増加など)を併せて立証する必要があります。義務者の現在の年収を把握する必要があるため、当社では合法的な範囲で勤務先や収入の調査を行うことがあります。 -
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第三類型:支払い側減額検討型
義務者(支払う側)からの相談で、自身の年収減少や再婚による扶養家族の増加を理由に、新算定表ベースで減額したいというケースです。減額を求める場合でも事情変更の要件は同様に求められ、改訂のみでは減額の理由になりません。減額調停を申し立てる前に、相手方(権利者)の年収状況を把握しておきたいという相談が多く寄せられます。
養育費問題の解決において重要な視点
養育費の分野では、感情的な対立よりも事実情報(相手の現在の年収や勤務実態)を正確に把握することが解決において重要となります。「早期発見、早期解決」という当社の理念は、養育費分野のトラブル解決にも共通しています。
増額・減額請求の実務手順|協議→調停→審判の流れ
新算定表ベースで養育費を変更したい場合の実務手順は、以下の3段階となります。
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第一段階:協議
元配偶者に直接連絡し、新算定表での再計算を提案します。関係性が比較的良好で、義務者側にも年収増加などの客観的な事情変更がある場合は、この段階で合意に達することもあります。合意できた場合は、公正証書として書面化することを推奨します。口約束では強制執行ができません。 -
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第二段階:調停
協議で合意できない場合、家庭裁判所に養育費変更調停を申し立てます。申立費用は子1人につき1,200円(収入印紙)と、相手方への郵便切手代が別途必要です。弁護士に依頼せず本人で申し立てることも可能で、書式は家庭裁判所の窓口やウェブサイトで入手できます。調停期日は約1か月に1回のペースで開催され、3〜6回(半年〜1年程度)で結論が出ることが多くなっています。 -
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第三段階:審判
調停が不成立となった場合、自動的に審判手続きに移行します。審判では、調停委員ではなく裁判官が当事者双方の主張や立証を踏まえて判断を下します。新算定表の機械的な当てはめだけでなく、個別の事情を加味した判断となるため、立証資料(源泉徴収票・課税証明書・進学証明書など)の準備が重要となります。
調停申立てに必要な書類と実務上の注意点
相手方を問い詰めないこと、また自身で無理な調査をしないことが基本です。元配偶者との直接交渉は感情的になりやすいため、最初から調停を選ぶことが円滑な解決につながるケースもあります。
調停申立てに必要な書類は、申立書(家庭裁判所所定の様式)、申立人と相手方の戸籍謄本、未成年の子の戸籍謄本、申立人の収入を証明する書類(源泉徴収票・課税証明書など)です。相手方の収入資料は、申立て時点で手元になくても手続き自体は可能であり、調停期日の中で相手方に提出を求める運用がなされます。なお、相手方が裁判所からの呼出状に応じない場合や、住所不明で送達できない場合は、最終的に審判への移行や、住民票調査・付郵便送達といった手続きを経ることになります。
公正証書・調停調書の作り直しは必要か
新算定表ベースで増額・減額が決まった後、書面の作り直しが必要になります。当初の取決めの形式によって、対応が異なります。
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協議書(私文書)のみで取り決めていた場合
新たに「養育費変更協議書」を作成し、公正証書化することを推奨します。公正証書にすることで、義務者が支払いを怠った場合に、裁判を経ずに直ちに強制執行(給与差し押さえなど)が可能となります。公正証書の作成費用は、養育費の総額にもよりますが、おおむね1万5,000円〜3万円程度です。 -
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公正証書ですでに取り決めていた場合
「養育費変更公正証書」を新たに作成します。当初の公正証書が自動的に上書きされるわけではないため、変更後の金額を明記した公正証書を別途作る必要があります。 -
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調停調書・審判書で取り決めていた場合
家庭裁判所で再度、調停や審判の手続きを経る必要があります。この場合は、変更調停や変更審判の決定そのものが新たな債務名義(強制執行ができる公文書)となるため、別途公正証書を作る必要はありません。
書面作成・変更時における2つの注意点
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変更前の書面を破棄しない
変更前の書面(旧協議書や古い公正証書)を破棄する必要はありません。変更時点までの未払い分について強制執行をする場合、変更前の書面が依然として有効な債務名義となるためです。 -
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適用開始日を明確に記載する
変更後の書面には「いつから新しい金額が適用されるか」を明確に記載することが重要です。多くは変更協議成立日や調停成立日の翌月分から適用されますが、当事者の合意があれば、遡及(そきゅう)適用や段階的な引き上げ(最初の半年は中間額、その後新額に移行するなど)を設定することも可能です。書面化の段階であいまいな表現を残すと、後日「いつから増額が始まるのか」をめぐって再び争いが生じるおそれがあります。
よくある誤解と注意点|遡及適用・自動増額の可否
最後に、新算定表をめぐる代表的な誤解を3点整理します。
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誤解1:「新算定表は遡及(そきゅう)適用される」 これは誤りです。新算定表の効力は、変更が認められた時点(調停成立日・審判確定日)以降の支払いに対してのみ及びます。2019年12月23日まで遡って差額を清算することはできません。 -
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誤解2:「新算定表が出たから自動的に増額される」 これも誤りです。算定表の改訂自体が事情変更にならない以上、自動増額の仕組みはありません。当事者の協議、あるいは調停・審判の手続きを経て初めて、新算定表ベースの金額に変更されます。 -
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誤解3:「新算定表で計算した金額が必ず認められる」 これも厳密には誤りです。算定表はあくまで標準的な事案を想定したものであり、特別費用(私立校学費・医療費など)や個別の生活実態は別途調整されます。算定表の数字が必ずしも最終決定額にはならない点に注意が必要です。
適切な解決に向けた実務的なアプローチ
養育費は子の生活と成長に直結する重要事項です。新算定表での再計算を検討する場合は、まずは自身のケースが事情変更の要件を満たすかどうか、弁護士や実務に精通した専門機関へ相談することが推奨されます。
養育費の問題は、相手の現在の年収や生活実態が分からなければ、具体的な交渉も適切な金額決定も進められません。株式会社MRでは、合法的な範囲で対象者の勤務先や収入実態の調査を承っており、調査結果は弁護士を通じた調停・審判での立証資料としても活用可能です。早期に実態を正確に把握することが、結果として当事者や子の負担を軽減することにつながります。まずは無料相談を利用し、それぞれのケースに応じた最適な対応策を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。
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当記事の監修者
- 氏名
- 岡田 真弓
- 経歴
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1968年東京都生まれ
2003年総合探偵社・株式会社MRを設立
2008年MR探偵学校を開校し、学長に就任
2016年一般社団法人日本ライフメンター協会を立ち上げ、代表理事に就任
2017年こころテラス株式会社を設立
- 紹介文
探偵業の現場で培った経験をもとに、「探偵の現場」や「夫を夢中にさせるいい妻の愛されルール」等の書籍を発売。
また、ビジネスリアリティ番組「令和の虎」にも出演し、あらゆるメディアを通じて、調査の実態や夫婦関係の在り方を伝えています。
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