不倫の示談書|必須7項目と書き方・効力を解説
配偶者の不貞が発覚したとき、弁護士を立てる前に示談書で区切りをつけるという選択肢があります。示談は判例基準を超える金額で合意できることもあり、再発防止の担保としても有効です。この記事では、株式会社MR代表・岡田真弓が、示談書の法的効力、必ず盛り込むべき7項目、公正証書化の手順までを解説します。早期解決が、心の傷を浅くする鍵です。
示談書とは|不倫問題における法的な位置づけ
示談書とは、当事者同士が争いを解決するために取り交わす合意文書です。不倫問題では、被害を受けた配偶者が、不貞行為を行った配偶者または不倫相手に対して、慰謝料の支払いや再発防止を約束させるために作成します。法的には、民法第695条に定められた「和解契約」にあたり、双方が署名押印した時点で法的拘束力を持ちます。
不貞行為は、民法第770条第1項第1号で離婚事由として認められています。さらに、不法行為に基づく損害賠償請求は民法第709条、精神的苦痛に対する慰謝料請求は民法第710条が根拠となります。示談書は、これらの請求権について当事者間で金額や条件を取り決め、書面として確定させるものです。
一般的には、示談書で合意した金額は、裁判所が認める慰謝料相場を上回るケースがあります。弁護士が介入する前の段階で、当事者同士が冷静に話し合うことで、お互いが納得しやすい条件で合意できることが多いのです。
示談書に必ず書くべき7つの必須記載事項
不倫の示談書で効力を持たせるには、以下の7項目を必ず盛り込みます。
① 当事者の特定
甲(請求する側)・乙(支払う側)の氏名、住所、生年月日を正確に記載します。同姓同名のトラブルを避けるため、フルネームと現住所の両方が必要です。
② 不貞行為の事実認定
「乙は、20○○年○月○日から○年○月○日にかけて、甲の配偶者である○○と、○回にわたり肉体関係を持った事実を認める」といった形で、期間と行為を具体的に記載します。不貞行為の法的定義は、配偶者以外と継続的な肉体関係を持つこと。一般的にはラブホテルへの出入り2回以上、またはシティホテル・自宅への出入り3回以上の証拠が必要とされています。
③ 慰謝料の金額
民法第710条に基づく損害賠償として、金額を明記します。一般的な相場は、婚姻期間と不貞の悪質性により50万〜300万円の範囲で変動します。示談書に記載された金額が、法的効力を持つ合意額となります。
④ 支払方法と支払期日
一括か分割か、振込先口座、期日を明記します。分割払いの場合は、期限の利益喪失条項(1回でも滞納したら残額を一括請求できる条項)を必ず入れます。
⑤ 接触禁止条項
「乙は、今後一切、甲の配偶者と直接・間接を問わず接触しない」と明記します。SNSやメッセージアプリでの連絡も含める形が一般的です。
⑥ 秘密保持条項
示談内容・不貞の事実・当事者の個人情報を第三者に漏らさない旨を記載します。SNSへの投稿も含めて禁止とするのが通例です。
⑦ 違約金条項
接触禁止や秘密保持に違反した場合のペナルティを定めます。一般的には、違反1回につき10万〜30万円、あるいは悪質な再発時にはさらに高額な賠償を定めるなど、相手に心理的な抑止力を与えつつ、法的に公序良俗に反しない範囲で設定するのがポイントです。

示談書の法的効力を最大化する公正証書化
示談書は、当事者が署名押印した時点で法的拘束力を持ちます。しかし、相手が支払いを怠った場合、通常の示談書では裁判を経なければ強制執行できません。そこで重要になるのが、公正証書化です。
公正証書とは、公証人役場で作成される公文書です。「強制執行認諾文言」を入れた公正証書にしておくと、相手が支払いを滞納した場合に、裁判を経ずに給料や預金を差し押さえることができます。民法上の和解契約(第695条)に、強制執行の効力を付与する手続きです。
公正証書作成の手順は以下の通りです。
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示談書の草案を作成する -
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公証人役場に予約を取る(全国約300か所) -
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当事者双方が公証人役場に出向く(代理人でも可) -
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公証人が内容を確認し、公正証書として作成 -
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手数料を支払って正本を受け取る
手数料は慰謝料額に応じて変動し、100万円なら約5,000円、300万円なら約1万1,000円、300万円なら約1万7,000円が目安です。養育費と同様、一般的には未払い率が高い分野ですので、公正証書化は強く推奨されます。

示談交渉を成功させるMR流3つのコツ
株式会社MRでは、創業以来、示談交渉の事前アドバイスを数多く提供してきました。96.6%の成功率を誇る当社の経験から、示談を成功させる3つのコツをお伝えします。
コツ①:証拠を揃えてから交渉のテーブルに着く
示談交渉は「証拠を示して相手に認めさせる」ことが出発点です。言い逃れできない証拠があれば、相手も認めざるを得ません。証拠が曖昧なまま話し合いに入ると、相手に否認されて交渉が長引きます。証拠の9割は3日でつかめる、というのが当社の実感です。
コツ②:弁護士を立てる前に直接対話を試みる
弁護士費用の着手金は20万〜50万円、成功報酬は獲得額の10〜20%が一般的です。調停・裁判まで進めば半年から2年かかります。弁護士は最終手段として、まずは直接対話で合意を目指すのが効率的です。実際、当社の依頼者様の多くが、直接対話で判例を超える金額で合意されています。
コツ③:感情と金額を切り分ける
「許せない」という感情と「いくら請求するか」は別問題です。感情的になると、かえって合意が遠のきます。事前に金額の上限と下限を決め、交渉中はその範囲内で冷静に話を進めます。

示談書作成でよくある失敗と注意点
示談書は、一度作成してしまうと原則として撤回できません。以下の落とし穴に注意してください。
落とし穴①:清算条項の範囲を広げすぎる
「本合意以外に一切の請求権を有しない」という清算条項を安易に入れると、後から発覚した不貞について請求できなくなります。清算条項の範囲は慎重に定めます。
落とし穴②:口約束のまま放置する
「書面にすると大ごとになるから」と口約束で済ませるケースがありますが、法的効力を持たせるには必ず書面化します。録音データのみでは、後で争いになった際の立証が困難になります。
落とし穴③:時効を見逃す
不貞行為の慰謝料請求権は、民法第724条により「損害および加害者を知った時から3年」、または「不貞行為があった時から20年」で時効(消滅時効)となります。3年以内に示談を成立させるか、法的措置を講じて時効を中断(更新)させる必要があります。
落とし穴④:相手の支払能力を確認しない
慰謝料の合意額が高くても、相手に支払能力がなければ絵に描いた餅になります。分割払いを認める場合は、万が一の際の給与差し押さえを念頭に、相手の正確な勤務先名称や所在地を確認しておくことが不可欠です。
支払能力に見合わない高額すぎる設定は、かえって未払いのリスクを高めるため、現実的な着地点を見極めましょう。
示談書か弁護士か|判断基準と相談先
最後に、示談書で済ませるべきか、弁護士に依頼すべきかの判断基準をお伝えします。
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示談書で済ませられるケース:証拠が揃っている/相手が事実を認めている/金額の目安が立っている -
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弁護士に依頼すべきケース:相手が徹底的に争う姿勢/高額請求で相場から乖離/DV等の危険がある
株式会社MRでは、浮気調査から示談交渉の事前アドバイス、カウンセリング、提携弁護士の紹介までを一貫してサポートしています。弁護士は最終手段。まずは示談を目指すのが、経済的にも精神的にも負担の少ない選択肢です。
まとめ
不倫の示談書は、民法695条に基づく和解契約として強い効力を持ちます。必須7項目を漏れなく盛り込み、公正証書化することで、再発防止と金銭的補償の両立が可能になります。弁護士を立てる前に、まずは示談でまとめる選択肢を検討してみてください。
「証拠は撮った後が大切」—株式会社MRでは、証拠取得後の示談交渉アドバイスから、カウンセリング、法的手続きのサポートまでを一貫して提供しています。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
当記事の監修者
- 氏名
- 岡田 真弓
- 経歴
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1968年東京都生まれ
2003年総合探偵社・株式会社MRを設立
2008年MR探偵学校を開校し、学長に就任
2016年一般社団法人日本ライフメンター協会を立ち上げ、代表理事に就任
2017年こころテラス株式会社を設立
- 紹介文
探偵業の現場で培った経験をもとに、「探偵の現場」や「夫を夢中にさせるいい妻の愛されルール」等の書籍を発売。
また、ビジネスリアリティ番組「令和の虎」にも出演し、あらゆるメディアを通じて、調査の実態や夫婦関係の在り方を伝えています。
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