離婚モラハラとは?家庭で起こる具体例や対処法をわかりやすく解説

モラハラは昨今注目されるようになってきた家庭内暴力の一種です。モラハラは被害者の肉体だけでなく精神を追い詰めることにもなりかねない許されない行為と言えるでしょう。もし、自身がモラハラの被害者になっている、もしくはその疑いがある場合には素早い対処をする必要があります。

そこで本記事では、モラハラの特徴や対処法について解説します。自身がモラハラに合っているのか疑問に思っている方も、本記事の内容を参考にモラハラの被害者と言えるのかどうか確認してみてください。対処法を知ることも重要ですが、まずは自身がモラハラの被害者なのかどうかを正しく把握することもとても重要です。

モラハラとは


モラハラとはモラルハラスメントの略で、言葉などを使って相手に精神的な苦痛を与えることです。これは男女問わず、相手に対して精神的な苦痛を与えていれば該当します。DVという家庭内における身体的な暴力被害については良く知られていますが、モラハラも一種の家庭内暴力として考えられているのが特徴です。

モラハラはDVによるキズや痣が出るわけでは無いため“表面化しにくい家庭内暴力”として知られています。普段からよく接している場合でも気づかれにくいので、モラハラから逃げ出すためには本人がモラハラを受けていることに気づき、何とかしようという意思を持つことが大切です。

モラハラが家庭で起こる際の具体例

モラハラの具体例としては以下のようなものがあります。

【モラハラの具体例】

  • 常に相手を否定するような言動
  • 攻撃的な言動
  • 子どもにパートナーの悪口を言う
  • 弱点を指摘することで相手を見下す
  • 強い束縛を感じさせるような言動

言葉による攻撃がモラハラの主な特徴と言えます。相手のことをひたすらシカトといった行動も、相手の精神を追い詰めるようであればモラハラです。

次項では、モラハラ夫、モラハラ妻によく見られる特徴を解説します。

モラハラ夫によく見られる特徴

モラハラ夫によく見られる特徴としては以下のようなものが挙げられます。

【モラハラ夫によく見られる特徴】

  • 高圧的な態度で妻を下に見る
  • 理詰めで自分の正当性を常に維持しようとする
  • 客観的に見てもおかしい理由で家庭に協力しない

言動によるモラハラはもちろんのこと、家庭に協力しないことによる妻への負担増加もモラハラの一種です。また、妻が専業主婦の場合には、金銭的な余裕があるにもかかわらず家に入れる額を減らしたり、過度に制限をかけたりするのもモラハラと言えます。

モラハラ妻によく見られる特徴

昨今では、妻からのモラハラに悩む方も少なくありません。人によっては「自分がモラハラを受けているわけがない」と考える方もいるかとは思いますが、現実として妻からのモラハラに苦しんでいる方もいらっしゃるので、以下の特徴を参考に自身が該当していないかを確認してみてください。
モラハラは夫から妻に対して行われるイメージがありますが、妻からのモラハラに悩む男性は少なくありません。

妻からのモラハラは、態度が急変して突然怒り出したり、無視したりするほか、男性を蔑視するような発言も見られます。子育てや家事に非協力的なことで、もともとは優しかった妻が徐々にモラハラ化していくこともあります。

【モラハラ妻によく見られる特徴】

  • 感情的な怒りをぶつけられ何を言っても解決しない
  • 旦那を蔑視するような発言
  • 家庭への不満が募って攻撃的な言動が増加

モラハラ妻の場合、感情が爆発して一気に責め立てられたりすることで、大きな精神的負担を感じてしまうことが多いです。結果として金銭的な部分での違いはあれど、妻も男性もパートナーへの攻撃方法は比較的似ていると言えます。

モラハラによって引き起こされる症状

モラハラによる症状は、じわじわと発症してくるため気づきにくいです。それゆえに、気づいた時には重度の精神的負担を負っている状態になっていることも珍しくありません。以下では、モラハラによって引き起こされる症状をリストにしましたので、自身が該当していないかチェックしておきましょう。

【モラハラによって引き起こされる症状】

  • 人生がつまらないと感じるようになってくる
  • 子どもや他人への配慮が出来なってくる
  • 頭痛、腹痛になる回数の増加
  • うつ病
  • 睡眠障害
  • 過呼吸 など

モラハラがもたらす子どもへの影響


モラハラはパートナーへの影響だけでなく、子どもへの影響もあります。子どもへの悪影響は未来に大きな障害を与えることにも繋がりかねませんので、モラハラが発生している場合には子どものことをよく考えて対処する必要があるでしょう。以下ではモラハラが発生する家庭において、子どもにもたらす影響をまとめました。

【モラハラがもたらす子どもへの影響】

  • 精神状態への悪影響を与えてしまう
  • 子どもも同じようにモラハラをする大人になってしまう
  • 虐待の対象になる可能性がある

家庭環境の悪化は子どもへ悪影響を与えてしまうでしょう。暴言が飛ぶ家庭において、子どもは心から落ち着く状態になれず精神的な問題を抱える可能性が高くなります。

また、子どもは親の真似をするというのは昔からよく言われていることですが、それを体現するかのように子どもも親と同じようにモラハラをする可能性が高いです。親として手本を見せなくてはいけないのに、悪い側面を見せることで子どもは同じ道を歩んでしまうことも考えられるでしょう。

さらにモラハラは、パートナーから子どもへターゲットが向くことも考えられるため、それがエスカレートして虐待に繋がることも考えられます。結果として、子どもにとってモラハラは百害あって一利なしで、悪い影響しか与えません。

モラハラは治る?

モラハラは改善する余地があると言えますが、基本的に性格が要因で発症する心の病気ともいえるので簡単に治せるものではないとも言えます。長く生きてきた中で出来上がった性格は、本当に特別なことが起きて自身の意思が変わらない限り、改善する可能性は低いです。

もし、モラハラの加害者本人が改善したいと望むのであれば、精神科医の診察やカウンセリングを受けることで希望が見えるかもしれません。しかし、被害者が加害者に対してカウンセリングを受けるように促す場合には、より強い反発を生んで状況を悪化させる可能性も十分に考えられます。被害者が改善を望む場合は、間接的に本人が改善意識を生むような方法を検討しなくてはいけないでしょう。

モラハラが家庭で起こった場合の対処法


モラハラの被害に実際にあった場合、対処法を知っているのとそうでないのとでは自身の今後に大きな影響を与えます。以下で示す対処法を把握し、モラハラによる被害を最小限に抑えるように努めましょう。

【モラハラが家庭で起こった場合の対処法】

  • モラハラの証拠を残す
  • 本人にモラハラを自覚させる
  • 第三者へ相談する
  • 距離を置く
  • 離婚する

モラハラを改善させるような対処法もありますが、その対処法は比較的難しいため、基本的には加害者から離れたり第三者に相談をしたりといった対処法がメインとなってきます。自身で解決できるものなのか、そうじゃないのかを正しく理解して対処法を実施することが大切です。

モラハラの証拠を残す

モラハラが実際に起きている場合、その言動や行動を証拠として残しておきましょう。証拠として残しておけば、今後争いへと発展した際に役立ちます。証拠を残す方法としては以下のようなものがあります。

  • 会話の録音をする
  • メールなどのスクリーンショットを撮る
  • 実際にあったことを日記(紙媒体)で残す

自身の身を本当に守るのであれば、最終的には法的な争いになってくる可能性が高いので、上記のような方法を駆使して有利に事の展開を運べるようにしておきましょう。

本人にモラハラを自覚させる

もし、モラハラをしてくるパートナーと離婚をしたくない、もしくはできない理由があるのなら、本人にモラハラをしていることを自覚させるのも一つの方法です。「モラハラは治る?」でも触れましたが、モラハラは性格が要因で発生する心の病気として知られています。そのため、本人が“治す”という意思を持たなければ改善には向かいませんので、意思を持たせるためにも自覚させることが大切です。

もし、自覚させたうえで改善の兆しが見えない場合には、別居や離婚といった方法をとることも視野に入れてくる必要があるでしょう。

第三者へ相談する

モラハラの被害者は、精神的な暴力を受けている状況なので、場合によっては自身で正常な判断を下せません。そうなると、自身でその状況を改善させていくことは難しいため、第三者に頼ることが大切になってきます。

第三者には、信頼している友人や弁護士、支援センター、カウンセラーなどが挙げられます。現状を正確に説明することができれば、最適な答えを教えてくれるはずです。

距離を置く

直接的な方法として、別居などで距離を置くことも効果的です。モラハラのもとで生活していると正常な判断を下せないため、一旦距離を置くことでその後のことを冷静に考えるきっかけとなるでしょう。

自身が働いていなくて、離婚をした場合に生活をしていけないという場合にも別居は効果的です。別居なら婚姻費用を請求できるため、自身の精神状態が回復するまで生活を維持することができます。

離婚する

別居してもパートナーに十分な改善が見られなかったりする場合には、離婚という選択肢に行きつくことになるでしょう。離婚することでモラハラから完全に抜け出すことができるので、パートナーに気を遣って生活をする必要が無くなります。人によって離婚の重みは違うかと思いますが、モラハラが続いて自身の心が崩壊する前に、離婚という大きな決断は視野に入れておくべきと言えるでしょう。

もし、離婚に踏み切れない場合には、カウンセラーや弁護士などの第三者に相談してみるのもおすすめです。自身では決められないことも、客観的な視点からアドバイスが貰えれば離婚へと踏み出せるかもしれません。

まとめ

モラハラとは、言葉などを使って相手に精神的な苦痛を与えることです。男女問わず発生する可能性のある家庭内暴力の一種で、モラハラを受けた被害者は精神的な被害の末に体調を崩したり、うつ病になったりする可能性があります。そのため、モラハラ被害を受けていると少しでも感じた場合には、迅速な対応をすることが重要です。

モラハラへの対処法には、本人に自覚させる方法や第三者への相談、離婚といった方法がありますので、自身の精神状況を踏まえて検討しましょう。モラハラの被害を受けていると正常な判断が出来なくなっていることも考えられるので、まずは第三者へ相談してみるのが最適かもしれません。

弁護士コメント

モラハラというと、DV等と異なり、被害者側も加害者側も一見して気づけないこともあるかもしれません。しかし、配偶者のモラハラを理由として離婚に踏み切るという方も相当数いらっしゃいます。
法的にみると、モラハラという一事情のみでは、法的な離婚原因に該当するかという点では難しいことが多いです。ただし、離婚の成否に関しては、話し合い次第ということも多いですし、他の事情も合わせて離婚が成立するという場合もあり得ますので、自身の置かれている状況を整理するために、専門家に相談するというのは良いかと思います。

この記事の監修弁護士

弁護士 池田 貴之

弁護士 池田 貴之アディーレ法律事務所

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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