離婚父親が親権を取るには?約10%しか獲得できていない理由や親権を取る方法

子供がいる家庭にとって、離婚時の親権については大きな問題の一つです。多くの場合では母親が親権を取得するため、親権が取得できるか悩んでいる父親の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、父親が親権を獲得するための方法や獲得しづらい理由などを解説します。親権を取得したいと考えている父親の方はぜひ参考にしてみてください。

父親が親権を獲得できる割合は約10%

父親が親権を獲得できる割合は、約10%という統計が出ており、裁判所の司法統計(平成29年度)では、20,588件の審判事件のうち、父親が親権を獲得したのは1,959件となっています。しかも、父親が親権を獲得できて同居できているのは1,959件のうちの1,860件とさらに少なくなっております。

この事実が、父親が親権を取りづらいと言われることの裏付けと言えるでしょう。ちなみに、父親が親権を獲得しているほとんどのケースでは母親側からの親権拒否があるため、真っ当に親権を争う場合は父親に勝ち目はほとんど無いと言えます。

父親が親権を獲得しづらい理由

父親が親権を獲得できるのは約10%ということを踏まえて、父親が親権を獲得しづらい理由を以下では解説します。主な理由は以下の3つです。

【父親が親権を獲得しづらい理由】

  • 養育実績が少ない
  • 養育環境の変化が激しい
  • 母親が親権者になる判例が多い

「父親の方が経済力はある」と考える方もいらっしゃいますが、基本的に経済力はそこまで大きな影響を与えません。むしろ、養育実績や環境、過去の判例といったものが父親が親権を獲得できない理由となっています。それぞれの詳細を以下で確認していきましょう。

養育実績が少ない

養育実績とは、その名の通り子供を実際に育ててきた実績のことです。夫婦で子供を育てるのですから、それぞれが子供を育てた実績があると言えますが、それぞれの負担量は実際のところ違います。父親が仕事をしている一般的なケースでは、昼間は母親が面倒をみてくれたり、送り迎えやご飯の準備をしたりするため、父親が子供と関わっている時間は母親と比べると少ないケースがほとんどです。

逆に母親が働いて、父親が子供の面倒や家庭のことのほとんどを担っている場合には、父親が親権を獲得できる可能性は高まるかもしれません。結局、親権の判断は子供にとってどちらの親権なら幸せになれるかを基準に行なうため、離婚によって子供の生活が大きく変化しない選択になるケースがほとんどです。

養育環境の変化が激しい

父親が親権を取得した場合、子供の養育環境の変化が激しくなる可能性があります。これは子供にとって決して「良い」と言えるものではないため、親権の判断をする際は養育環境の変化が少ない方へと決められることがほとんどです。

父親の場合、決まった時間に保育園に迎えに行くことや、育児のために休暇を取得したりすることが難しい傾向にあります。しかも、子供が熱を出したときに、すぐに保育園へ迎えに行くことも難しいでしょう。

以上のような理由から、父親は子供の安定した養育環境を実現するのが難しいとして、親権は取りづらいとされています。

母親が親権者になる判例が多い

裁判において、過去の判例は重視されやすい傾向にあります。親権の裁判に限った話では無く、その他の裁判においても同様に過去の判例が重視されます。

親権を争う裁判では、母親が親権を獲得する判例が多いです。そのため、裁判所が過去の先例を参照した結果、親権を母親に与えると判断する可能性は高いと言えるでしょう。

ちなみに、過去の判例で母親が親権を獲得するケースが多いのには様々な理由があるとされています。例えば「母性優先の原則」という原則では、子供の福祉の観点から「子どもは父親よりも母親と暮らした方が望ましい」とされています。この原則に基づけば、特別な理由がない限りは母親が親権を獲得した方が子供の幸せに繋がると考えられます。

母性優先の原則に限った話では無いですが、その他の様々な理由から母親が親権を獲得する経緯に至っていることは、知っておく必要があるでしょう。

父親が親権を獲得する方法

父親が親権を獲得しづらいことを踏まえた上で、以下では「父親が親権を獲得する方法」を説明します。

【父親が親権を獲得する方法】

  • 養育実績を作る
  • 監護補助者をつける
  • 離婚後の面会交流を認める
  • 子供自身の希望

養育実績は親権を獲得するうえで大きな効果を持ちます。仕事があっても子供の送り迎えをしたり、ご飯の準備や家事をしたりした実績があれば親権を獲得できる可能性は高くなるでしょう。

また、監護補助者をつけたり離婚後の面会交流を認めたりするといった点も親権獲得に良い影響を与えます。

当たり前ではありますが、子供自身の希望で父親側につきたいということであれば、それが考慮されて父親が親権を獲得することも可能です。

養育実績を作る

養育実績は、子供に対してどれだけ関わってくることができたのかを証明するものです。保育園の送り迎え、掃除、洗濯、食事、遊び、行事への参加など、関わってきた実績が多ければ多いほど親権を獲得できる可能性は高くなります。

もちろん、母親も同じくらい送り迎えや家事などに関わっている可能性が高いので、あくまでも「母親と変わらないレベルで子供を育てることができる」という証明ができることが重要です。養育実績があることで、他の要素で有利に立つことができれば親権を獲得できるかもしれません。

養育実績を証明する方法としては、日記や保育施設・友人の「陳述書」などが効果的です。ただ、陳述書の取得は決して簡単案ことではないと言えるので理解しておきましょう。

監護補助者をつける

監護補助者とは、子育てを補助してくれる人のことを指します。父親が親権を取得したとしても、仕事を続けなければいけないことには変わりありません。そのため、仕事で子供につきっきりになれなかった場合のことを考えると、監護補助者がいるかどうかは親権に大きな影響を与えると考えられます。

例ではありますが、自身の母親(子供にから見たら祖母にあたる)に同居してもらって子供をみてもらったり、実家へ戻って自身の両親にみてもらったりする方法があるでしょう。

離婚後の面会交流を認める

面会交流とは、離婚後に親権者を持たない側が子供と面会することを指します。裁判所は、子供のためにも面会交流は積極的に認めるべきだという考えを持っているため、子供のことを思って面会交流を認める姿勢を持てば父親の親権を認めてもらいやすいです。

いくら母親側に問題があったとしても、夫婦間の問題であれば子供には関係ありません。裁判所は親権帰属の判断をするにあたり、子供の面会交流が適切に確保されているかどうかを重視するため、面会交流はできる限り認めるようにしましょう。

大前提として、面会交流を認めるという行為は「親権を獲得する」という目的の為だけに実施してはいけません。子供の幸せを考えた結果、面会交流の重要性があらわになるため、必ず子供の意思を尊重したうえで認めるようにしてください。認めるという結果は同じでも、子供の受け取り方に大きな違いが生まれる可能性があります。

子供自身の希望

子供自身の希望が、親権に影響を当てることもあります。ただ、この場合は15歳以上などある程度自身の考えを持って発言していることが条件となります。親が無理やり言わせていたり、判断が付かないような子に日頃から仕向けることで洗脳に近いようなことをしていることが判明したりすれば、子供自身の発言であっても認められない可能性が高いです。

基本として、子供の意見は参考値になります。意見や価値観が確立されている場合は別ですが、年齢が小さくなるほど親権の判断材料としては弱くなる傾向にあることを知っておきましょう。

母親が親権を取りづらい事由

父親が親権を取れるケースとして、母親がそもそも親権を取りづらくなっているケースが考えられます。母親が取りづらいケースに該当する場合は、父親が親権を取れる可能性が高くなるので知っておきましょう。

【母親が親権を取りづらい事由】

  • 精神疾患や病気を患っている
  • 子供への暴力行為がある
  • 離婚の有責事項で強い懸念がある

子供の幸せにとって大きな障害となる場合や、子供を育てることがそもそも難しい場合には母親が親権を取りづらくなります。それぞれの詳細を確認していきましょう。

精神疾患や病気を患っている

精神疾患や病気を患っていて子供の面倒をみれない場合は、母親が親権を獲得できない可能性が高いです。病気の種類は様々ですが、うつ病や長期入院が必要な重病の場合などが該当します。

ただ、注意点として精神疾患や病気を患っていてもある程度の育児ができるのであれば、親権を獲得できない理由にはなりません。そのため、父親としては母親の精神疾患や病気が育児に良くない影響を与えるかどうかを判断する必要があるでしょう。

子供への暴力行為がある

母親が子供へ暴力をふるうなどの行為がある場合には、母親が親権を獲得するのは難しいです。当たり前ですが、子供への暴力は子供の幸せを邪魔することに他なりません。裁判所側が認めるような、子供への暴力に対する証拠があれば、父親が親権を獲得できる可能性は高くなるでしょう。

ちなみに、暴力だけでなく過度な暴言や、子供を苦しめるような過度な躾、ネグレクトなども親権に影響します。

離婚の有責事項で強い懸念がある

離婚の原因が母親にあり、その有責事項に対して強い懸念がある場合は母親が親権を取りづらくなる可能性があります。例えば、母親が不倫をしており、不倫相手と夜に会うために子供を家で一人留守番をさせていたり、十分な食事を摂らせなかったりして、子供に悪影響を及ぼしている場合には父親が親権を取りやすくなるでしょう。

基本的に、不倫自体は親権に大きな影響を与えません。なぜなら、不貞行為と親権の所在は別物と考えられているからです。しかし、子供に悪影響を与えるような不倫を母親がしている場合には、父親が親権を取りやすくなるので覚えておきましょう。

親権者に選ばれるのは子供を幸福にできる方

親権帰属の判断は、基盤として「子供の幸せ」をもとに行なわれます。子供の幸せに繋がらない方に親権がいくことは絶対にありませんので覚えておきましょう。

また、子供の幸せについては「子の福祉」の観点から判断されます。子の福祉とは「親権を誰が持てば子供の幸せに繋がるのか」という考えのことで、この観点をもってして親権の行き先は全て決められます。

つまり、父親が親権を獲得するためには「子の福祉」の観点から「父親が親権を持つことが子供の幸せに繋がる」ということが証明できないといけません。子の福祉はベースに「母親が有利」という考えがあるため、親権の獲得において父親は最初から不利な立場にあります。以上のことを踏まえて、本記事で紹介している「父親が親権を獲得する方法」などを参考に親権獲得に向けた努力をしなければならないでしょう。

まとめ

父親が親権を獲得できる割合は約10%という統計が出ています。この理由には、母親が有利という「子の福祉」の考え方が影響しています。もちろん、過去の判例による影響もありますが、その判例を作り上げてきたのも「子の福祉」という視点があるからこそです。

つまり、父親は子供の親権を獲得するのが難しい立場にあるということになります。ただ、母親が親権を放棄する場合や、子供の意思で父親の親権を望む場合、母親が育児をできる状況に無いといった場合には、父親が親権を獲得できる可能性が高まるでしょう。また、育児に積極的に関わっていて、そういった証拠がある場合にも獲得できる可能性が高まります。

以上のことを踏まえて、父親は親権の獲得に向けて努める必要があるでしょう。

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