離婚別居婚とは?別居に向いている夫婦の条件やメリット・デメリットを解説

結婚したら女性は家事育児を担当し、男性は仕事に精を出す。そんなステレオタイプの家族の形に収まりたくない夫婦は年々増えていることでしょう。

色々な働き方ができるようになったり、生き方や価値観に多様性が生まれ、「夫婦はこうでなければいけない」という固定観念も薄れていっている現在。「夫婦だから一緒に住まなければならない」ということもなく、別居婚を選択する夫婦もいます。

別居婚を選択する理由や、結婚していても別々で暮らすメリット・デメリットを解説します。

別居婚とは

別居婚とは、婚姻関係にある夫婦が別々の家に住むことです。決して、不仲だからというわけではなく、夫婦生活を円満に進めるためのポジティブな家族の形の一つです。

従来は、夫婦や家族は一緒に住むものだと一般的に考えられてきました。しかし、女性の社会進出が加速したり、男性の育児休暇が取りやすい法制度が整い、男性も育児に参加して当たり前になるなど、社会が変化している現在では従来のやり方が必ずしも正解とは言えなくなっています。

別居婚は期間を定めない場合と、いずれ同居することを前提に期間を定めている場合があります。とくに子供が生まれたらどうするかなど、夫婦円満が前提の別居婚において、どちらかに負担が寄ってしまう事態を招かないように話し合っておく必要があります。

夫婦別居は違法?

別居婚と聞くと、「結婚後に同居しないのは違法なのでは?」と疑問に思う人もいますが、双方が同意の上であれば夫婦であっても同じ家に住む必要はありません。

民法752条では以下のように定められていますが、正当な理由があればこの是非ではありません。

(同居、協力及び扶助の義務)
 第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

引用:民法 | e-Gov法令検索

例えば、一般的に起こり得る単身赴任や介護のための別居なども、夫婦が別居するケースです。

週末婚との違い

別居婚と似たような言葉に“週末婚”があります。週末婚とは、平日は別々に暮らし、週末だけ一緒に過ごす結婚スタイルのことです。別居婚と週末婚は、どちらも夫婦が別々に暮らす結婚スタイルです。しかし、会う頻度やタイミングに違いがあります。

別居婚は、夫婦が別々に暮らし、好きなタイミングで行き来します。会う頻度は月に1回でも半年に1回でもよく、非常に自由度の高い関係です。

一方、週末婚は、平日は別々に暮らし、週末だけどちらかの家で一緒に過ごすというライフスタイルです。会う頻度は週に2日程度と、別居婚よりも決まったタイミングで会うことになります。

どちらの結婚スタイルが適しているかは、夫婦の価値観やライフスタイルによって異なります。

別居婚を選択する理由

夫婦が別居婚を選択する主な理由は以下の3つです。

  • プライベートを大事にしたい
  • 妻は家事、夫は仕事など決められたくない
  • お互いに依存しなくない

結婚したらといって、どちらかが仕事を継続できなくなったり、家のことを最優先にするがあまりプライベートが失われてしまうことを避けるために別居婚を選ぶケースが多いです。

また、いきなり同居することに不安を感じて、まずは別々に暮らして距離感を合わせていきたい際に別居婚の形をとる夫婦も珍しくありません。

プライベートを大事にしたい

結婚後も、子供が生まれた後も、夫婦各々のプライベートの時間はとても大切です。夫婦関係にひびが入る原因の一つに、どちらかが不自由を感じてしまうことが発端である場合も多いでしょう。

結婚したからといって、ずっと時間を共有しなければいけないなんてことはありません。それは一般的な認知に過ぎませんので、夫婦が円満に過ごせるのであればお互いのプライベートを尊重すべきでしょう。プライベートを優先することをネガティブに捉える必要がそもそもないためです。

別居婚であれば、基本的にプライベートの時間を自由にとれます。お互いが会いたいとき、必要なときだけ会えばよいので、プライベートを犠牲にしてまで生活する時間は限りなく少なくなるでしょう。

妻は家事、夫は仕事など決められたくない

妻は家事、夫は仕事など決められたくない夫婦に別居婚はおすすめです。別居婚は、夫婦がそれぞれ自分のペースで生活を送ることができるため、役割分担を決める必要がありません。また、家事や育児の分担をめぐって争いになることもありません。

もちろん、別居婚には、コミュニケーション不足や夫婦間の距離感の課題もあります。しかし、夫婦の価値観やライフスタイルが合っていれば、別居婚はうまくいく可能性が高いと言えるでしょう。

お互いに依存したくない

夫婦になり役割分担ができると、気付かぬうちにお互いが依存関係になりやすいです。妻がいないと満足に家事や育児ができなかったり、夫の経済的を頼りにせざるを得ないなど、男性が仕事、女性が家事育児(またはその反対)という役割が定着すると柔軟性を失ってしまいます。

とくに、女性側も経済力を持たないと仮に離婚するなど問題が発生した際、生活の担保が得られないなどさまざまな場面で経済的・心理的に不利な状況になる可能性もあります。

そういった依存関係における家族間のねじれを回避したいと考えている人には、別居婚は向いていると言えるでしょう。

別居婚が成立する条件

夫婦が別々に暮らす上で、別居婚を成立させるためにはいくつかの条件があります。最低限これらが整っていれば、別居婚によって夫婦関係が破綻してしまうリスクも低減できるでしょう。

  • 世の中の正解と答え合わせしない
  • 双方ともに経済的に自立している
  • 双方が相手の時間や生き方を尊重している

別居婚を検討する夫婦であれば、おおよそ問題がないものばかりです。ただし、双方の経済的自立や今後の働き方など、価値観だけではなくお金の問題の認識が甘くなりがちなことには注意が必要です。

世の中の正解と答え合わせしない

別居婚という言葉は、まだまだ一般的ではないでしょう。そのため、「別居婚している」と話したときの周囲の反応はネガティブなことの方が多いかも知れません。「夫婦仲が悪いから」や、「冷え切った関係だから」と事実とは異なる理由を詮索されることもあります。

世の中の正解と答え合わせしてしまうと、自分達にとっては最良の判断だったとしても意思がブレかねません。夫婦の価値観が人それぞれであるように、夫婦の形もさまざまです。世の中が考える正解はあっても、それが自分たちにとって幸せな選択ということにはなりません。

生き方や価値観の多様性はさらに進み、将来的には別居婚がもっと身近な存在になる可能性もあります。自分たちは、世の中の少し先をいっているくらいに考えておく方が余計なストレスを感じなくて済むでしょう。

双方ともに経済的に自立している

別居婚のデメリットの一つに、家賃や光熱費が倍かかってしまう点が挙げられます。その分、貯蓄できる金額が同居に比べて低くなりがちだったり、基本的にお金の管理は各々によりため、経済的な面での自立は双方に求められます。

もし一方の収入が著しく低く、パートナーに支援してもらうようになると、そこから依存関係や不自由が生まれ、結果的に別居婚が破綻してしまう原因になりかねません。仮に収入が少なかったとしても、求める生活レベルに足りていれば問題はありません。

そのため、別居婚を成立させるためには、双方ともに経済的に自立していることが条件になります。

双方が相手の時間や生き方を尊重している

別居婚は、自分の価値観や生き方をもっとも大切にするの選択であり、その実現がパートナーの幸福にもつながっていくものです。そのため、双方が相手の時間や生き方を尊重していなければなりません。

自分がプライベートや仕事を充実させたい場合でも、相手がそのバランスを調整したいのであれば話し合う必要があり、お互いにとってどのような距離感が適切かは、自分以上に相手の生き方を尊重するくらいの覚悟でないと前向きに折り合いをつけられないタイミングが来てしまいます。

別居婚で起こり得る問題

別居婚には多くのメリットがある反面、別々に暮らすことで起きやすい問題もいくつかあります。具体的には以下の3つです。

  • 子供の問題
  • お金の問題
  • 愛情の問題

これらの問題をクリアするためには、いつまで別居婚をするのか、何のために別居婚をするのかなど、変化するライフスタイルを想定して今だけではなく将来にわたって考えておく必要があります。

子供の問題

別居婚によって起こり得る子供の問題としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 両親のどちらかの愛情不足を感じること
  • 両親のどちらかに引き取られたり、行き来したりするため、生活環境が不安定になること
  • 両親の別居が原因で、学校や友達とのトラブルに巻き込まれる可能性がある

両親の別居は、子供にとって大きなストレスになります。子供は、両親の別居を自分のせいだと感じたり、両親のどちらかに引き取られたり行き来したりすることで、愛情不足や生活環境の不安定さを感じたりすることがあります。

また、両親の別居が原因で、学校や友達とのトラブルに巻き込まれる可能性もゼロではありません。

お金の問題

別居婚によって起こり得るお金の問題としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 生活費や家賃などの支出が増える
  • 保険や税金などの支払いが複雑になる

別居婚では、夫婦が別々に生活するため、生活費や家賃などの支出が増える可能性があります。また、保険や税金などの支払いも夫婦で分担する必要が出てくるため複雑になることがあります。

愛情の問題

別居婚では、夫婦が別々に生活するためコミュニケーション不足になりやすく、夫婦間の距離感も生まれやすくなります。その結果、愛情が冷めてしまう可能性もあります。

コミュニケーション不足は、夫婦間の理解不足や誤解につながり夫婦関係を悪化させる原因となります。そして夫婦間の距離感は、夫婦間の愛情を冷めさせる原因となります。愛情が冷めてしまうと、夫婦関係の修復が難しくなることがあります。

はじめは大丈夫だと思っていても、別々で暮らし始めたら気持ちが変わってしまった、浮気の原因になってしまったなんてことも珍しくありません。

別居婚から離婚にならないために必要なこと


これらの問題を踏まえて、別居婚によって離婚しないために必要なことを整理しましょう。

● 子供への影響を十分に考慮する
既に子供いる場合、これから子供を持つ可能性がある場合の双方において、子供が別居婚に適しているか、両親が子供を十分にサポートできる体制を整えられるかを慎重に検討することが大切です。

● お金や資産管理のルールを決める
生活費や家賃などの支出をどうするか、保険や税金などの支払いをどうするか、事前に話し合い解決策を用意しておきましょう。もしライフプランが見えない場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に意見を聞くのも手です。

● 連絡や会う頻度・タイミングの認識を合わせる
会いたいときに会えない、連絡してもなかなか返ってこないと不信感を生みます。そのため、お互いに縛られない関係とはいえ、連絡や会う頻度・タイミングの認識をある程度は合わせておきましょう。

別居婚のよくある質問

生活費はどう決めればいい?

収入割合で決める場合は、夫婦の収入の割合に応じて生活費を決めるため、収入の高い方が収入の低い方に生活費を支払うことになります。もしくは、夫婦の収入に関係なく生活費を折半します。正解はないため、双方が納得のいく形をとります。

住民票はどう扱えばいい?

別居婚でも、住民票を移さなければならいといったことはありません。入籍の前後で住んでいる場所が変わらない場合も同様です。

婚姻届はどう出せばいい?

特別な手続きはなく、それぞれの住所を記入して提出すれば問題ありません。

別居でも扶養に入れる?

別居していても、扶養者の収入から生活費を受け取っている場合は、扶養に入れることができます。ただし、生活費を受け取っている証拠として、生活費の送金記録や家賃の支払い記録などを保管しておく必要があります。

まとめ

今後、価値観の多様性がさらに広がるに伴って、別居婚を選択する夫婦が増えるかもしれません。少なくとも、男性は仕事で女性は家庭といったステレオタイプの家族に収まらないケースは増えています。

同居するかしないかは、あくまで家族の幸せを追求するための手段のひとつです。

別居婚によってお互いの今と将来、さらに子供を持つ場合はその子の人生まで含めて、どのようにするのかを決めましょう。

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